------そう勝ち誇ったのも束の間であった。
悪魔どもは菊之助の両腕を抱え、強制連行に移った。
大人の悪魔ふたりは、痩躯でありながら大層な力持ちであった。
菊之助がもがいても、二人は微動だにせず悠々と妖花屋へ出発進行している。
「ええい、はなせっ!
昼飯も持ってない奴に労働ばかりさせる気か!」
菓子を買ってくれ、とべそをかきつつ強請る子供のように、菊之助は足に重心をかけて喚いた。
しかし、段田は柔軟に対応する。
「昼飯ならうちで用意してやるさ」
「そうそう。
なにせ悪魔二人じゃあ手が足りねえ仕事をするからな」
交代で言い立て、悪魔どもは軽い足取りで闊歩していった。


