「沙耶ぁー♪」
「た、拓海!」
「沙耶に毎日会えるようになるなんて運命!?」
「ないから。」
アメリカに来てから1週間。
…蒼不足で苦しんでる。
拓海はいっつも一緒だし。
あ、拓海はこっちに住んでる日本人!
唯一日本語で話せるんだ。
「たぁくぅみぃー!!」
「なに?くっつかれて嬉しいの?」
「違うから!あたし彼氏いるしっ!!」
「……は?」
「だから…彼氏が…」
「んなの聞いてねーし」
「言ってないもん」
「…まぁ沙耶は俺のもんだ」
「違うから!」
「違わねぇーよ。半年も離れんだぜ?」
「……っ」
そこは1番痛いとこ。
半年も…。
1週間でさえ辛いのに。
こんな辛いのがまだまだ続くなんて。
…蒼がいないと1日を長く感じる。
蒼ってやっぱり…すごい。
「なんかあったらすぐポイだから」
「蒼はそんな人じゃないのっ!」
「そんなのわかんねぇーじゃん。」
「わ、わかる…!」
「可愛い子、なんてたくさんいんだし。」
「拓海は…なにをっ…言いたいの…!」
「…っ」
拓海はアメリカで唯一仲良しの人なのに。
いつも意地悪しないのに…。
なんで――………?
「泣き顔見たくないんだよ」
「…えっ…?」
「沙耶が泣いてる顔なんて見たくないんだ…」
「た…くみ…」
あたしの周りにはたくさん優しい人が居る。
…拓海…ありがとう。