「おーっす」
『沙耶に告って浮かれてる?』
「……はぁ!?」
え、えぇ!?
なんで告ったって知ってんだよ!?
沙耶だって言ってなくね?
『あ。なんで知ってるか不思議がってる?』
「お、おう…」
『だって沙耶テンション高いし』
…よくわかるな。
さすがだよなー…。
『あ、あと蒼斗も違うし』
「俺?」
『うん。いっつも“あ?”とか不機嫌』
「そ…んなことねぇよ」
『はいはい。沙耶のこと泣かしたら承知しないから』
「わーってるよ」
『アメリカ、半年…』
「小夜が嫌なんじゃねぇーか」
『やだっ…もんっ…』
――キュン
ふ、不覚にもキュンってしちまった。
や、やべぇー。
「蒼?」
「な、なんでもねぇ!ケーキ食ってろ」
『蒼斗、待ってようね』
「当たりまえ」
『じゃばいばーい』
「おう」
きっと、これ以上沙耶と話したら泣くんだよな、小夜。
“待ってようね”…なんだか大丈夫だと思った。
みんなで、沙耶を待とうって。
…安心しろよ、沙耶。

