「ねぇ結愛…」

「ちょっと泣きすぎね」







2人の声が聞こえる。

困惑してるような心配しているようなそんな、声が。

……ダメだ、泣くな。

もう泣いちゃダメだ。

堪えろ…っ…沙耶!!







「沙耶ー?どうした?」

「……っ」

「あたしたちは沙耶の味方だって言ったでしょ」







2人の優しさにまた泣きそうになる。

……大丈夫、あたしは1人じゃないんだ。

迎えてくれる人は、居るんだ。







「2人に会えて泣けてきちゃった!」

「はぁ?泣きすぎね」

「小夜の言うとーり!」







2人は疑っているんだ。

会えて嬉しかったと言うわりには“泣きすぎ”だと。

なんかあるって。

でもね、言わないよ。

蒼にだって来たくない時くらいある。

あたしは――………迎えられていたって事が1番嬉しかったんだもん。








「だから、嬉しすぎたの!」

「…困るわ。」

「そーよ、沙耶!」

「……えっ…」

「あ、勘違いしないで」

「沙耶が会うたびこんな泣くんなら慰めるの大変って意味」

「…しかも大泣き。恥ずかしいわ」

「小夜は刺々しいの!」

「結愛だって刺々しい」

「はぁ!?」

「なんで聖也くんが結愛を選んだかサッパリ!」

「こっちだって!なんで小夜が三野と幼なじみかサッパリ!」

「そんなの知らないわよ!気づいたら幼なじみだったんだから!」

「こっちだって気づいたら好きだったのよ!」







……懐かしいなぁ。

こんな騒がしい光景でさえ愛おしく見える。

たった1ヶ月でこんなに変わるのかな。