恐怖短編集

そう言い、二人目の一哉は柔らかな笑みを見せた。


ここに来て、始めて大きく表情を変えた瞬間だ。


「そうよ、一哉」


嬉しくて、思わず二人目の一哉に抱きついてしまう。


一哉は一瞬バランスを崩したが、すぐに体制を元に戻し、ぎこちない手つきで栞の頭を撫で始めた。



「すごい、何もかわらないじゃない」


「かわらない?」


「えぇ。普通の人間と……何もかわらないわ……」