恐怖短編集

「水を飲んだのね」


その人の前に置いていたコップが空になっている。


その人の足元がほんの少し濡れて、そこだけ、水で色が濃くなっているのもわかった。


「水を飲んだのね」


相変わらず、オウム返しは変わらないようだ。


栞はいつものようにベッドでビールを開けながら、どうすればその人と会話が出来るようになるのかを考え始めた。