恐怖短編集



  ☆   ☆   ☆   ☆   ☆

案の定会社に遅刻した栞だったが、上司は刷り上っていた広告にミスが見つかったと報告を受け、この場にはいなかった。


「遅刻して、痛い目にあわなくてよかったね」


仕事仲間の浅井一哉が、隣の席の栞にそう言って笑いかけてきた。


「そうですね」


答えながら、栞はホッと息を吐き出す。


バス停から走ってきたため、心臓が飛び出しそうなほど苦しい。