恐怖短編集

重い頭を何とか起こし、そう言った。


栞は一哉の言葉の意味を掴みかねて、首を傾げる。


「頭を、後ろの壁に固定してほしいんだ。そうすれば、真っ直ぐ前を向いていられるだろ」


「でも、固定ってどうやって?」


「そうだな……例えば、大きなクギとか」


「クギですって!?」


一哉の言葉に、栞は悲鳴に似た声を上げる。