恐怖短編集

右手は真横のテレビを支えとして使っているため、画面の半分が一哉の腕で隠れてしまっていたし、


支えのない左手は、床にダラリと垂れていて、栞が気付かずに踏みつけてしまう。


そして、ろくろ首のように長く長く伸びた首は頭を支えきれなくなり、左手と同じように垂れ下がって行っている。


「栞、頼みがあるんだ」


「どうしたの?」


「俺の頭を、壁に固定してくれないか?」