恐怖短編集

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いくら抱きしめ合っても、いくらキスをしても、二人目の一哉が栞を抱くことはなかった。


その行為が不可能なことくらい、最初からわかっていたことだった。


自由にならない体、動く事のない足。


それが、二人目の一哉なのだから。


しかし、栞は二人目の一哉の生命力の強さも知っていた。


傷ついても傷ついても、時間をかけて必ず立ち直る。