恐怖短編集

「なんなんだ。ったく」


自分の探していたものが見つからないし、異臭が喉の奥まで流れ込んでむせ返るし、最低な気分になる。


いくらあたりを探しても、一哉の捨てたソレは見当たらない。


説明書だけが、そこに取り残されていたのだ。


粗大ゴミを捨てるには、規定の業者に頼まなければならない。


それをすっかり忘れていた一哉は、数日前ここにゴミを捨ててしまったのだ。


ゴミ収集車が来ても持って行ってくれるハズがないと、今日になって大家に言われたので、慌てて探しに来たのだ。