恐怖短編集

その声に、栞の動きが一瞬止まる。


ブラウスを脱ごうとしてしていた手がボタンに触れたまま、首だけ振り返る。


……一哉だ。


会社で会っている一哉が、目の前にいる。


「栞、愛してるよ」


同じ言葉を繰り返し、両足をズルズルと引きずりながら、両手を床に這わせて栞へ近づいてくる。