恐怖短編集

一哉は、温もりのある手を高く高く伸ばし、両手を広げる。


その一本一本の指が、まるで何かを掴むようにゆらゆらと揺らめき始めた。


先ほどよりも五センチほど背の高くなった一哉は、その状態で動きを止めた。


それと同時に、嫌な音も消えていく。


「ふふふ」


一哉が、軽く笑い声を上げた。


その姿形は……浅井一哉、そのものだった。