恐怖短編集

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部屋の中に西日が入り込み、梅雨のムシ暑さが肌にまとわりつく。


沈んでいく太陽の光が、テレビの横の一哉を柔らかく浮かび上がらせて行く。


目の前に置かれたコップを、まるで木の枝のような手でつかみカラカラに干からびて、ひび割れた口へと持っていく一哉。


しかし、体の中へ流れ込むはずの水は、すべて自分の体をつたって、足元へと落ちて行った。


それでも一哉は満足そうな表情を浮かべ、天井を見上げる。