「怖いのか?」



「…………っ。」



ライネスは じりじりと後退る。



「ははは、ヴィル様に聞いた通りだ。」



「……お前達、あいつの命令で動いているのか?」



“ヴィル”と言う名前にライネスは反応したが、悪魔は それには答えなかった。



「弱虫で、怖がりで、おまけに“魔法も弱い”んだってね!!」



「…………!!」



悪魔の言葉に、ライネスは はっと息を飲んだ。



(……どれくらい情報が伝わっているんだ……?)



「……後悔すると良い。あの人間達に付いて行かなかった事を! お前を殺して、予言の実現は防いでみせる!!」



彼が叫んだ瞬間、50人の悪魔達が一斉に襲い掛かって来た。



「……くそっ!!」



ライネスは毒づくと、くるりと踵を返し、家の中へ逃げ込んだ。



「逃がすな!!」



彼等のリーダーなのだろう男の声に悪魔達は頷き、ライネスを追って次々と家の中へ走って行った。