「お母さんがさ、野島くんをお姉ちゃんの部屋に泊めなってさ」
……………
青天の霹靂に寝耳に水、馬耳東風、豚に真珠、馬の耳に念仏。(違う?)
「な……ななな……何でえ~~?それこそあり得ないしっ!茉莉花、あんたの場所がないじゃん!」
焦りパニクったあたしとは対照的に、茉莉花は覚めた口ぶりで姉に言う。
「あたしは前から決まってた友達ん家にお泊まり。
だけど瑠璃香お姉ちゃんさあ。もう16歳なんだしさ、いい加減にオトコの一つも知りなよ。
あたしだってケンタと上手くいって、夏にゃそろそろバージン喪失かな、って感じなのに。
お姉ちゃんはキスの一つもかました事ないんだから。
だから野島くん、こぉんな超奥手の姉ですけど、優しくしてあげてくださいね」
開いた口が塞がらないってこの事だわ……。
14歳にしちゃマセてたと思ってたけど、茉莉花はもうそこまで進んで……って!
問題はそこじゃない!
「茉莉花! 言うに事欠いてそんな余計な事言わないの!」
あたしが包丁を振り回しながら怒鳴りつけると、茉莉花は「こわぁい!」とおどけながらあっという間に逃げ去った。
残ったあたしと野島の間に気まずい空気が流れたのは言うまでもなく。
あたしは茉莉花に後で覚えてろよ!と内心思った。
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青天の霹靂に寝耳に水、馬耳東風、豚に真珠、馬の耳に念仏。(違う?)
「な……ななな……何でえ~~?それこそあり得ないしっ!茉莉花、あんたの場所がないじゃん!」
焦りパニクったあたしとは対照的に、茉莉花は覚めた口ぶりで姉に言う。
「あたしは前から決まってた友達ん家にお泊まり。
だけど瑠璃香お姉ちゃんさあ。もう16歳なんだしさ、いい加減にオトコの一つも知りなよ。
あたしだってケンタと上手くいって、夏にゃそろそろバージン喪失かな、って感じなのに。
お姉ちゃんはキスの一つもかました事ないんだから。
だから野島くん、こぉんな超奥手の姉ですけど、優しくしてあげてくださいね」
開いた口が塞がらないってこの事だわ……。
14歳にしちゃマセてたと思ってたけど、茉莉花はもうそこまで進んで……って!
問題はそこじゃない!
「茉莉花! 言うに事欠いてそんな余計な事言わないの!」
あたしが包丁を振り回しながら怒鳴りつけると、茉莉花は「こわぁい!」とおどけながらあっという間に逃げ去った。
残ったあたしと野島の間に気まずい空気が流れたのは言うまでもなく。
あたしは茉莉花に後で覚えてろよ!と内心思った。