「無駄にでかいのよ。正直、こんなに大きくたって意味ないよ」
「えぇ~?俺、こんな家に一度で良いから住んでみたい」
「なら、流が私として生きる?私の代わりに、こんな家で生きていってくれる?」
こんな、でかいだけの家で。
形だけの家族で。
「流が生きていってくれるの?」
「ごめん………忘れてた。美琴の家のこと……」
流は俯いてそう呟いた。
そんな顔させるはずじゃなかったのに……。
流なら笑い飛ばしてくれる。
そう思ってたのに。
やっぱり変だ。
「美琴って学校じゃ家のこと話さないじゃん?それに、俺にとって超お嬢様って習い事とかめっちゃやってるイメージなわけ!
だけど美琴はそんなこと無いじゃん?だから……つい、ごめんね美琴」

![[短編]初恋を終わらせる日。](https://www.no-ichigo.jp/assets/1.0.787/img/book/genre1.png)