【完】春紫苑






それに気付いた私は咄嗟に手を離した。



しまった。



流の手なんかを掴んでしまうなんて。


さっきも流に助けられちゃったし…。





「手、離されてるし。あれじゃない?


何で流なんかの手を…って後悔してるんじゃないか?」




駿の私の心を完璧に読んだ台詞に私は驚きを隠せない。



そして隣に流がいるというのも忘れ




「何で分かったの!?」




と聞いてしまった。





「ちょ、ちょっと二人とも!俺のことバカにしてないっ!?」




それを聞いた流が慌てたように言う。




バカにしてない?って…答えは勿論。




「してるよ」

「してるよ」





案の定、私と駿の答えが被る。


いや、だって流…分かってて聞いてるでしょ?


だってこの質問、結構頻繁にされるし。




でも流は




「……ガビーン。美琴も駿も酷いよ」





とこれまた可愛く落ち込んでいた。


ただ、ガビーンと自ら言うのはどうかと思うけど…。