「駿だから」
思いっきり保健室のドアが開けられるのと、流が喋ったのはほぼ同時。
ドアの音に驚きすぎた私には流の声なんて届いていなかった。
でも、あの音が駿だったってことは分かった。
だって私の視界には
「大丈夫か、美琴!!」
どれだけ必死で走ってきたのっていうくらい汗をかいて真っ青な顔で私の心配をする、駿が立っていたから。
普段、大人っぽくてクールな駿からは想像もできない。
流ならなんとなく想像できるけど。
いや、流はどんなに必死でも可愛さだけは忘れないか。
「駿、必死すぎだから~。美琴、地震!?って焦ってたんだから~。
その証拠にホラ」
隣で可愛くクスクス笑う流が私の手を指した。
それは、さっき怖くて思わず掴んでしまったもの。

![[短編]初恋を終わらせる日。](https://www.no-ichigo.jp/assets/1.0.787/img/book/genre1.png)