「ねえ…駿」 「うわぁぁぁぁああああ!!!!」 「え…?」 思わず後ずさる。 ナイフを振り回しながら叫ぶ駿。 はじめて駿を怖いと感じた瞬間かもしれない。 目の前の人間に、もう優しかった頃の面影なんてみつからない。 誰か分からなくて、そんな彼を前に私のちっぽけな覚悟なんて脆くも崩れ去ってしまった。