「私がいるから将光の人生は狂った。知らない間に駿や流の人生まで狂わせて。なら、いなかったことにすれば良い。私なんて、最初からいなかったことにすれば良い」
違う?、そう聞いてみせた美琴に俺はなにも返せなかった。
止めたいのに、何を言ったら美琴の覚悟が揺らぐのか
美琴を止められるのか分からなかった。
ねえ、将ちゃん。
将ちゃんなら何て言う?
何て言って目の前の愛しい人を助ける?
止めて見せる?
教えてよ、美琴が駿に近付いていくんだよ。
ねぇ、将ちゃん。
駄目だって首を振る駿じゃ止められないんだよ。
その時、目に入ったナースコール。
俺はバレないように、そっと手を伸ばしボタンを押した。

![[短編]初恋を終わらせる日。](https://www.no-ichigo.jp/assets/1.0.787/img/book/genre1.png)