【完】春紫苑








「喚けよ、叫べよ、助けてくれって」






ポケットから"ソレ"を取りだし、刃先を俺へと向けた。






「城野は使わないんだ?わざわざ、駿が刺してくれるんだ」




そんなの無視して、俺は全然違う話をする。






「命乞いでもしてみたらどうだよ、流」



「刺すとは随分大胆な殺しかただね~?あ、もう死にそこねるのはゴメンだからちゃんと刺してよ?」




命乞い?

そんなのしねーよ。


ただ、駿。






「迷ってるんなら、やめとけば?」