【完】春紫苑







パタンと閉まったドア。


俺に押し寄せる、この感情は何だろう。





最初から消すつもりで近付いたくせに、何で、どうして……


泣きそうな俺がいるんだ?




揺れる流の瞳が、信じてたそう言った将光の言葉が顔が


何でこんなに俺の頭から離れないんだ?






もう少しで、美琴が手に入るんだ。

それなのに俺は、何を迷ってるんだ。





「まあ、将光を目の前にしたらこんな感情も消えるか」





俺はきっと同情してるんだ。

もうすぐ人生を終えてしまうあいつらに。




ほんと、優しいな俺は。