「…将光、流………っ!」




読んでる時点で気付かなきゃいけなかった。


全て駿の企みだったなら一刻も早く戻らなきゃ。



でも、知ったことはバレないようにしなきゃいけない。



将光と流が命懸けで守ってくれたんだから、それを簡単に壊すわけにはいかない。





抱き締めていたノートを再び図鑑に挟み、もとの場所に戻す。


このノートは何のつもりよ。そう言って絶対に怒ってやるんだから。



ごめんごめんって全く悪びれた様子もなく笑わせてみせるんだから。



私を置いて消えてしまうなんて許さないんだから。



押し入れを開けて目についた大きな鞄を取り出す。

ベッドの横にある棚の引き出しをあけ、着替えるを詰めていく。



こんな時に思い出すのは、この鞄は中学の修学旅行の時、将光が持ってたやつだってこと。