【完】春紫苑






「……ま、さみつ…」






不格好な将光の字が涙で歪んで、もう見えないに等しい。


止めどなく溢れてくる涙は



真実へのショックせいか



将光からの愛のせいか。





ノートをぎゅっと強く抱き締めて倒れるように、その場に座り込んだ。



嘘でしょ、嘘でしょ。


駿が…駿のせいで将光が刺されたなんて。



ううん、違う。

将光は私のせいで刺されたんだ。