【完】春紫苑








「だから将光、覚悟しといてね?バレっちゃったなら、コソコソせずに済むし。もうすぐ消してあげるから」




そう言って目の前で笑ってみせた駿は、もう俺の知ってる駿じゃなかった。





「そんなことさせるかよっ!」


「あ、美琴に言ったらダメだよ?言ったらどうなるかくらい、頭の良い将光だったら分かるよね?」


「卑怯だぞ、駿!」



「卑怯…?」





心外だな、そう言ってニヤリと笑ったかと思うと、睨まれた。


その目にいつもの優しさなんてなくて、憎しみに満ちてた。


憎しみの中に映る俺は何だか泣きそうな顔をしてて、哀れで。