「大切な人がいなくなるのが、どれほど怖いか知ってるから。だから、怖くて仕方がないのっ!」
知ってるから、残された方の悲しみも苦しみも、やるせなさも。
どこに向けたらいいか分からない怒りも痛みも。
「もう、嫌なの。大切な人が傷付くのは…嫌なのよ……っ!」
───だから。
「絶対に許さない。将光を刺した人間を絶対に許さない。死んでも、許さない。警察が見つけられないなら……私が見つける」
「見つけるって…おい?」
「この世の果てまででも、どこまででも追いかけてみせるんだから」
「美琴…?」
さっきまであんなに感情的になってたのに酷く冷静になった私に駿が戸惑う。
「────私が裁く」

![[短編]初恋を終わらせる日。](https://www.no-ichigo.jp/assets/1.0.781/img/book/genre1.png)