「美琴っ、将光が…どういうことだよ!」


「……」


「おい、美琴、美琴!」



「…え、駿?…え、あ…ここ、病院?」





気付けば私は椅子に座っていた。


数時間前に座っていた、手術室の前。




将光が血塗れで倒れているのを見たところまでは覚えてる。


でも、




「…分かんない……分かんないよ」




その後の記憶がない。


まるで、そこだけ消してしまったかのように、すっぽりと抜けている。