【完】春紫苑






心臓がドクン、ドクンと嫌な音をたてる。




「将光……」




不安になって貴方の名前を呼べば





「いいか、美琴。今から俺に背を向けて走れ」



「え、何で…」



「良いから、走れ」






相変わらず私を見ずに、将光は訳の分からないことを言った。



何で、私は走るの?


どこに、なんのために?



それにどうして。


───私だけなの?





「将光は…?」