病院を飛び出した私は程なくして、将光に捕まった。 「……ったく、足早すぎだろ」 「……」 「無視かよ……てか、何で泣いてんだよ」 「泣いて…ない」 小さな嘘。 無駄な強がり。 「後ろから見ててもバレバレなんですけど。なら、振り向いてみ?」 「…嫌」 振り返れるわけ、ない……。 だって………。