パタリと止まった足音。


余韻を残しながら反響する私の声。



私だと分かっているから、誰も止めに来ないのか。

注意しにこないのか。



それとも、この声は私の頭のなかに響いているだけなのか。






「どうした、美琴」



「いや、そんなの、だめ」



「美琴?」



「生きていけない。将光がいないと、こんな世界…生きていけないよ…」




呼吸が乱れる。走ったわけでもないのに息切れがする。





「生きていけないって、おい、美琴?」


「生きていけないっ!!」