だけど私は。
絶対に見てやるもんか。
そう思って窓を向いていた視線を思わず、あいつの顔に向けてしまった。
だって……
「いま、何て……」
「だから、来週あたりにお前の婚約パーティーをしようと思う」
「誰とよ………婚約って一体誰とよ!会社の利益の為だけに娘をどこの御曹司と結婚させようって言うのよ!」
「まぁ、そう熱くなるな」
熱くなるな…?冗談じゃない。
無理に決まってるでしょ。
「止めて、車を止めて!」
そんなの、冗談じゃないわよ。
婚約…?
笑わせないで。
あんたは一体、どこまで私の人生を振り回すつもりなのよ。