【完】春紫苑







「美琴、誰か降りてきたよ?」




「あぁ、柊さんでしょって……え?」







流の声によって向けた視線の先には、運転手の柊さんがいると思ってた。


というか、それ以外の可能性なんて考えもしなかった。






「榮一さん……」






なにも言えずに立ち尽くす私の代わりに将光が彼の名を呼ぶ。



どうして、お父様が…。

あいつが、ここにいるの?