【完】春紫苑







私の言葉を遮ったのは、将光。


でも、冗談っぽく笑ってみせた将光の目はやっぱり笑ってなくて。





だけどいつもと違ってその目に浮かぶのは怒りや憎しみ。

そんなのじゃなくて、


どうしようもない切なさと、やるせなさ。



遠い過去を、もう戻らない日々を思い出してるようだった。




何も分からないまま崩れさっていった日々。

二度と戻らない笑顔に温もり。




どんなに手を伸ばしても嘆いても帰ってこない大きすぎるもの。