【完】春紫苑



前を向いて流を視界から消した。





「んじゃ、俺も~」






隣で駿が私同様、流を放棄した。


てか……ほんと流が余計なこと言うから、転校生の自己紹介、名前しか聞いてないんだけど。


名前、城野さん……だっけ?


なんて、私が考えていると







「よ、よ…宜しくお願いします…」






突然、目の前が暗くなったかと思ったら…上から、か細い声が降ってきた。


女の子の割には低めなハスキーボイス。


男の子にしては高め…まあ流くらい?


その声の主の正体を確かめるため、私は上を見上げた。







「あ……城野さん」





声の主は城野さんだった。


え、何で私に?


てか、何でここに立ってるの?


私の頭の中が?で埋めつくされる。




すると