【完】春紫苑




「何が違うのよ。言っとくけど私、見た目だけには結構自信あるんだけど?」





自分で言うのは何だけど、実際そうだ。


母は元ミス・ユニバース日本代表。


父は美しすぎる実業家として有名だ。


そんな二人の血をひいた私。




正直、可愛いに決まってる。





「美琴、やっぱ可愛いって自覚あるんだ。だよな、美琴より可愛い奴見たことねーし」





そう言って駿が笑う。こうやってさらりと誉めてしまう彼は大人だな、っていつも思う。





「俺も美琴が宇宙一可愛いのは知ってるって!ただね、髪型が美琴そっくりじゃない?」





か、みがた?


前に立ち、まだ何か喋っている転校生に視線を移す。


胸の辺りまである黒髪を軽くウェーブさせている。

目にかかるから、かからないかの所の長さのパッツンの前髪。





確かに私と全く一緒。


髪型は。


でも、髪型だけ。

だって、彼女は目は一重だし、小さい。


鼻は大きいくせにぺちゃっとしてる。


分厚いくちびる。


悪いけど、他はどこも、まっっっったく似ていない。