「美琴………」


「帰ろっか」





将光が何か言おうとしたのを私は遮った。



だって、何となく。

また将光は謝るんだろうな、と思ったから。






「………あぁ」





納得いかないようだったけど、将光は渋々頷いた。





街灯に照らされた二つの陰。

こんなにも近くに並んだのはいつぶりだろう?




でも、

こんなにも近くにいるのにどうして




将光を遠くに感じるのかな……?