「あぁ………、よく分かったな。
病院を出て、フラフラ歩いてたらここに辿り着いたんだ。そしたら菜の花が一面に咲いてて、美琴をここに連れてきたら喜ぶんだろうなって思った。
このまま、消えてしまいたいって思ってたのに美琴のこと考えてたら…なに考えてんだってバカらしくなって、俺、思い出したんだ。
小学校くらいの時、俺が落ち込んでたとき菜の花を指差して「元気いっぱいって花言葉があるんだよ」って笑って言ったのを」
私、そんなこと言ったの?
「覚えてねーみたいだな」
「…………ごめん」
「謝んなよ」
「…………ごめん」
「もう謝ってるし」
ハハッて笑った将光は、紛れもなく将光で。
私の知ってる、私の好きな、将光で。
私たち……昔みたいに戻れるの?

![[短編]初恋を終わらせる日。](https://www.no-ichigo.jp/assets/1.0.781/img/book/genre1.png)