「取り合えず……座ろーぜ」
将光はさっきまで自分が座っていたベンチを指差した。
「……そ、うだね……」
いつもと違って。
まるで昔の、あの頃の将光が帰ってきたみたいで戸惑って接し方が分からない。
「ここなー、夜だったら分かりにくいと思うけど菜の花に囲まれてんだぜ?」
「…そう………なの?」
……………ほんとだ。
辺りを見渡せば、ぼんやりとした黄色い明かりが私たちを囲んでいた。
「花言葉………分かる?」
「……菜の花の?」
「うん、そうそう」
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