【完】春紫苑






入ってきたのは、女の子。




うわ………。


彼女が入ってきた瞬間、教室は男子たちの溜め息で溢れた。


女子はそんな男子を見てクスクスと笑っている。



みんな、思ってるだけでそれを声に出そうとはしない。


そんななか………





「全然、可愛くねーじゃん!!!てゆーか亡霊みたい!」!





流が叫んだ。


その台詞にクラスメートが一斉に笑いながら頷きだす。


だってきっと、誰もが思ったであろう台詞だったから。





「そ、それじゃ、自己紹介して」






流を気にしながらも平田は転校生に話をふった。





「城野 巫(じょうの みこ)です…宜しくお願いします…」





城野…巫…。みこ、か。



私と名前、一文字しか変わらないじゃん。

何だか良い気がしない。







「ねぇねぇ美琴」