入ってきたのは、女の子。
うわ………。
彼女が入ってきた瞬間、教室は男子たちの溜め息で溢れた。
女子はそんな男子を見てクスクスと笑っている。
みんな、思ってるだけでそれを声に出そうとはしない。
そんななか………
「全然、可愛くねーじゃん!!!てゆーか亡霊みたい!」!
流が叫んだ。
その台詞にクラスメートが一斉に笑いながら頷きだす。
だってきっと、誰もが思ったであろう台詞だったから。
「そ、それじゃ、自己紹介して」
流を気にしながらも平田は転校生に話をふった。
「城野 巫(じょうの みこ)です…宜しくお願いします…」
城野…巫…。みこ、か。
私と名前、一文字しか変わらないじゃん。
何だか良い気がしない。
「ねぇねぇ美琴」

![[短編]初恋を終わらせる日。](https://www.no-ichigo.jp/assets/1.0.787/img/book/genre1.png)