【完】春紫苑





将光がそれに気付いているのかも、これが将光のためになっているのかも私には分からない。


だけど、私にはそれくらいしか出来ないから。



ようやく平田が話始めた。





「今日は転校生を紹介する」





"転校生"

そのワードに教室が一気にざわつく。






みんなが「男かな?」とか「どんな奴、どんな奴?」と口々に言葉を発しだす。





「女の子かな?ねぇねぇ将ちゃん、駿ちゃん、女の子かな?」





流もテンション高めで二人に話しかけている。





「それじゃ、入ってきて」





平田のその言葉で静かになる教室。


クラス全員がドアに注目する。







ガラッ