【完】春紫苑






「ごめん……急に抱き締めたりして……」






悲しくて、苦しくて、申し訳なくて、どうしようもなくて。


私はただ、首を横にふった。





「それにしても、色んな花が咲いてるな」



「私が、好きだからね」



「美琴、花言葉とか詳しいもんな……あれ」



「ん?どうしたの?」





将光の視線は私を通り越していた。


振り返り、その視線の先を辿った。