【完】春紫苑







「言わない…別れようなんて、絶対に言わないよ」



「…美琴………」




だって、そんなこと言えるわけないじゃん。


それから、私の家につくまで、どちらも口を開くことはなかった。







「んじゃ…美琴……また、明日な」



「うん、明日ね…………あっ!」



「え?」






鞄から慌ててスイッチを取りだし、門を開ける。


早く開いてよ、早く早く。





「………みこ、」


「ついてきてっ!」






将光の左手を掴み、そう言って強引に門をくぐった。