「あぁ、分かった」
その瞬間、平田は明らかに救われたという顔をし、私に笑顔を向けた。
だけど私はそんな平田からすぐに目をそらした。
クラスメートは一斉に“さすが橋月さん”といった視線を送ってきた。
私には、それが不快で仕方がない。
平田もクラスメートも、本人には直接言えないだけで、将光たちをかなり嫌ってるはず。
それなのに……
誰も何も言わない。
何も言えない。
私が言うのを待ってる。
それが私にとってどれだけ不快なのか、この人たちは何も分かってない。
でも、まあ…私はそれを利用してる。
正直、私はクラスメートに好かれている。
というか好かれるように私が努力してきた。
そしたら皆、将光を橋月さんの彼女だし…って多目に見てくれるから。
私は少しでも将光がクラスから浮かないように努力してきた。

![[短編]初恋を終わらせる日。](https://www.no-ichigo.jp/assets/1.0.787/img/book/genre1.png)