【完】春紫苑




ガクンと膝の力が抜け、その場に座り込む。




「美琴お嬢さん………聞いていただけますか?」





しゃがみこみ、私の顔を覗き込みながら声をかけられた。





「……聞いていただけますか……って………西野さんは、知ってるんですか?何が、起きたのか………」






目の前の顔は優しく微笑んでコクりと頷いた。



でも、その反射で

左頬を涙が伝ったのを私は見てしまった。







「美琴お嬢さんには、知る権利があります」