【完】春紫苑





「あ、あぁ……」






返事はするけど、どこか上の空。



どうしても、将光たちが気掛かりで仕方がないらしい。


なら、何か言えば良いのに。


言えるわけ……ないか。



ったく……仕方がない。






「ほら、話があるんだってよ?将光、流、駿、さっさと座って。」





将光は平田。


流は眼鏡くん。


駿はクラスメート二人。





それぞれに送られていた冷ややかな視線は今度は私に向けられた。


といってもこっちを向いた三つの視線はどれも冷ややかでは無いけど。



それと同時に眼鏡くんも、クラスメート二人の視線も私へと向けられる。






「……ったく、美琴に言われたら座るしかねーな」





真っ先に動きだし、面白くなさそうに呟いたのは将光。


そして、自分の席である私の後ろに座った。






「美琴怖いもんな~」

「だな、座るか」





将光に続いて流と駿も席につく。


流は将光の隣。

駿は私の隣に。