【完】春紫苑





「美琴ちゃん……!!」





家に帰り、ドアを開けるとお母様が駆け寄ってきた。


そして、そのまま抱き締められた。






「お母様……ただいま、戻りました」






久しぶりに感じたお母様の温もりは暖かくて、懐かしくて


泣きそうになった。





「美琴ちゃん……美琴ちゃん」


「おか、あ様……」



「泣いて良いのよ…美琴ちゃん。泣きたいときは泣きなさい…」


「う……ぅぅ、ぁ……ぁぁぁぁぁぁああ」







苦しかった。

苦しくてたまらなかった。



嘘だといってほしかった。



由季さんが……もういないだなんて。




苦しかった。


憎かった。



由季さんの命を奪ったやつが……。


苦しくて、憎くて、悲しくて。



私がこれだったら、将光は、将光は。


一体、どれほどの思いを抱えているんだろう?

そう考えたら、涙が止まらなくて。