【完】春紫苑






「じゃ、電話するね?」





ポケットから携帯を取りだし、運転手の番号を表示させる。


発信ボタンを押したときだった





「やっぱ、俺は良いや」



『──はい、お嬢様』







運転手と将光の声が重なる。






「お祖父様の病院まで迎えに来てもらえますか?」





私は運転手にそれだけを伝えるとすぐに電話をきった。






「将光…どうして?」






そして、将光に問いかけた。








「…ごめん」



「ごめんじゃ分からないよ……」



「……………ごめん」