「なぁ……将光。状況を教えてくれないか?」
現実を受け入れられないまま、どれだけの時間がたったのだろう?
私たちは病院の待合室に座っていた。
…私は将光を抱き締めたまま。
重たい口を開いて、会社にいて、状況を把握できてない隆弘さんが将光に尋ねた。
抱き締める将光の体が強ばるのが分かる。
当たり前だけど思い出したくないのだろう。
将光の家は橋月グループと共に超大企業。
しかし、いつまで会社が持つか分からないといい、私の家みたいにバカみたいに大きな家ではない。
それに、お手伝いさんだって雇ってない。
だから、発見したのが…将光だったんだ。
「大丈夫、将光。ゆっくりで良いから…私はここにいるから」