【完】春紫苑





「将光、由季はっ!?」


「父さん!母さんはまだ……手術中だ」



「ん……?」


「ごめん、美琴起こした?」





私……


「寝ちゃってたの……?」


「そりゃぁ、もうぐっすりと」






フワッて優しく笑った将光。


でも私は気付いてしまった。


彼の瞳が赤いことを。


泣いてたんだね……将光。



そんな瞳で笑う将光を見てられなくて私は目をそらした。





「美琴ちゃん、ごめんね」


「隆弘さん……」





隆弘さんは将光のお父さん。


つまり、お父様の親友。




「いえ、私にはこれくらいしか出来ないので……」






私は無理矢理笑顔を作り、隆弘さんを見つめた。

そしたら隆弘さんも





「そんなことない、充分すぎるくらいだよ……ありがとう」





笑顔を作って私を見つめた。